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2018.12.08

「パッシブデザインについてのあれこれ vol.3」


これまで嘘のように暖かい日が続いていましたが、いよいよ
冬らしくなってまいりました。
太陽の暖かい日差しに「ありがたみ」を感じる設計企画部の原口です。
冬はパッシブデザインで可能な限り、日射を取り込む工夫を行うわけですが
さすがにパッシブデザインだけで冬を過ごせるわけではありません。
もちろんエアコンやファンヒーターなどの暖房器具が必要になります。
ということで、今回は「エアコンについてのあれこれ」をお伝えします。
 
まず新規にエアコン購入をお考えの場合、電気店にあるカタログや商品説明に
下図のような表示をよく目にすることがあると思います。

「冷房時おもに〇畳用」
お住いのLDKが18畳であれば、当然赤枠で囲った商品を選ばれるのでは
ないでしょうか。
実はこの表現、相当昔の木造住宅を対象とした表現で「無断熱の住宅」が
基準になったままなのです。
高断熱・高気密化が進んだ今の住宅では、この畳数で選ぶとオーバースペックと
なって、イニシャルコストだけでなくランニングコストにも影響がでてきます。
MBCハウスでは、パッシブ手法で計画されたLDKの「暖冷房能力計算」を行って、
実際にどれだけの能力の機種を選定すべきかを検討することができます。
吉野の「ZEHモデルハウス」でロフトに設置してある冷房用のエアコンは
このカタログでの18畳用を使っており、夏の間この1台で約45坪の1・2階全館を
コントロール出来ています。
結果的に言えば、断熱がしっかりした住宅であれば、対象空間の畳数よりおよそ
23割程度減らした畳数の機種を選んでいただいて差支えないと思います。
(吹抜けや階段室が絡む場合は、その畳数も考慮する必要があります)
また、ランニングコストを考える場合、カタログ中の「APF」という数字が関係します。
「APF」とは「通年エネルギー消費効率」の略で、冷房期と暖房期の1年間で使う
消費電力を各メーカーが算出しその省エネ性能を表した数字で、値の大きい方が
省エネ性能が良いことになります。機種が大きくなるほど、この「APF」の値は
小さくなって省エネ性能は落ちてくるので、より小さい機種がランニングコストも
有利になります。極端に言えば、大空間で6Kw1台のエアコンが必要な場合でも、
あえて3Kwを2台取り付けるほうが経済的な場合もあります。
 
新規購入をお考えの場合、参考にしていただければと思います。
 
次に、今お使いのエアコンの使い方についてお話します。
どのエアコンであっても、スイッチの入れ始めが電力を余計に消費します。
一般的に室温が設定温度になるまでに使う電力は、平常運転時の約3倍にもなります。
30分~1時間ほどの外出であれば、スイッチは切らない方が経済的です。
単純計算ですがエアコンを使う時間が朝7時から夜10時までの15時間だとすれば、
その間で3回、スイッチの入切りをするご家庭は15時間つけっぱなしのほうが経済的
であるといえます。ただ、つけっぱなしの感覚はなかなか馴染みにくいかと思いますので、
できるだけ入切りを減らす使い方を心掛けましょう。
あとは、部屋の上に溜まりがちな暖気の撹拌のためにも扇風機やサーキュレータなどで
ゆっくりとした空気の流れを作ることも大切です。
経済効果に欠かせないことにフィルターのお手入れもありますのでこちらもお忘れなく。
 
今季の冬は「暖冬」になるという報道もありますが、暖冬のほうが最低気温や
雪は記録的な場合もあるそうです。日差しを取り込む工夫をしながらエアコンも
上手に使って、鹿児島の冬を暖かく過ごしていただければと思います。

※これまでの「あれこれ」はコチラ
「パッシブデザインについてのあれこれ vol.2」
「パッシブデザインについてのあれこれ   vol.1」

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