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2019.03.01

オリンピックと建築

設計課の山下です。
 
2020年、いよいよ東京オリンピックが開催されます。
前回、1964年の東京オリンピックから半世紀ぶりの開催です。どこの国でもオリンピックの開催都市は、施設の建設、交通網の拡充など建設ラッシュに見舞われています。
 
前回と今回のオリンピックを建築の面で比べてみますと、前回の東京オリンピックの開催の6年前、1958年に、当時、世界一の高さを誇った東京タワーが完成しています。テレビ時代の幕開けとしての総合電波塔としての役割でした。
 今回の東京オリンピックでも、偶然にも8年前の2012年に、世界一高い634mの東京スカイツリーが建設されています。
 
ところで、建築構造的に、東京タワーを見ますと、その構造計算は当時の構造設計の第一人者、内藤多仲博士が担われました。当時、パソコンなどのコンピューターはなく、博士は高さ333mの東京タワーを、長さ12センチの計算尺で計算されたそうです。我々建築士は、デザインとともに構造上の問題を解決しなければなりません。新しい試みの場合、出来上がるまで胃の痛むこともあります。内藤博士の場合、特殊物件で、しかもパソコンの構造計算ソフトを使わず、手計算での設計は、そのご苦労や如何ほどであったかと推察されます。先駆者と言われる人はいつの時代も大変であったのでしょう。
 
ちなみに、構造の本で読んだのですが、最初の高い鉄骨の塔は、1889年パリ万国博の為に建造された高さ320mのエッフェル塔でした。トラスの橋を設計する橋梁技師のエッフェルが建造しました。横に置かれたトラスの橋を縦に置く発想だったのかも知れません。構造学的に言うと、横向きの単純梁としてのトラス橋を、縦向きの片持ち梁として発想したのです。
エッフェル塔は、東京タワーに比べると、13m低いにも関わらず、使用された鋼材は1.6倍で、工期も1.5倍ながくかかったそうです。
当時、パリの景観にそぐわないと批判もあったそうですが、今ではパリのシンボルとなっています。
 
ところで、我々が創る木造の住宅の場合でも、現代は設計図に基づきプレカット工場で部材がカットされてきますが、つい20年ぐらい前までは、現場で大工さんが手板を書き、木材に墨付けをし、1カ月ぐらいかけて木材の加工をしていました。年配の大工さんに聞いたのですが、独り立ちしたころ、最初にした墨付けの家は、棟が上がるまで緊張の連続であったそうです。
いろいろの意味で、現代の技術の発展はすごいものがありますね。
 
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