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2022.04.07

平屋人気は鹿児島がNo.1?

設計スタッフ上村です。四月ですね。年度替わりのこの月、弊社にもフレッシュな新入社員が入社しました。新人研修の折り、今の若者の住宅に対する意識を聞こうと彼らと話していると、意外にも戸建て、その中でも平屋が人気だと分かりました。今日はこの「平屋人気」について少し考えてみます。

 

鹿児島の平屋人気


鹿児島では平屋が人気です。少し古いですがこちらの住宅金融支援機構(旧公庫)の統計データをご覧ください。


都道府県別で統計を取っているのはこちらの平成11年が最後のようです。上のグラフは上記のリンクで公開されているデータから筆者が作成したグラフでが、統計が取れた件数を母数としてそのうちの1階建ての件数を割合としてプロットしています。なんと
全国で鹿児島・宮﨑が群を抜いて平屋の比率が高くなっているのが見て取れますね。


同様のデータと解釈がこちらの民間サイトにもランキング形式で掲載されております。


 

人気の理由

ではなぜ鹿児島で平屋が人気かまとめてみましょう。
 

1. 地域特性


土地が広いので平屋を建てられます。逆に大都市では地価が高く必然的に広い土地は望めません。ゆえに横ではなく縦方向に面積を取ることで必要な広さを確保します。これは、「可能なら平屋が良い」という前提を暗に示しているとも言えませんでしょうか。そして上記の民間サイトの解釈にもあるように、台風の多い鹿児島では、強風の影響を少しでも抑えるために低く建てることが、地域の知恵になって根付いているのではないでしょうか。
 

2.「住み替え」の考え方


家族の人数に応じて住む家を変えるのは賢い選択です。これは賃貸でも持ち家でも同じです。家族数が多い時期というのは夫婦共に働き盛りです。買い物に便利で勤め先にも近い街中に住みたいところですが、地価が高い都心部では平屋は望むべくもなく2階、3階建て、もしくは分譲マンションというのが現実的な選択肢です。
そして年月と共に家族の人数は減少します。子供たちが巣立って夫婦二人になれば、あくせく働くのをやめ静かな環境を求めて郊外の広い土地に住むかもしれません。そんな時、階段が無く、かつコンパクトな平屋を望むでしょう。ではなぜそんな平屋を最初で建てるのでしょう。

 

住宅ローンの影響


それでも最初から平屋を望む方はおおぜいいらっしゃいます。その心理を想像(推理?)してみます。

まず新築を考えれば、住宅ローンを利用します。30年以上の支払いがほとんどでしょう。住宅取得の平均年齢は40歳です。勤め人なら40歳から30年なので払い終わる頃は70歳です。できれば65歳までに払い終われるよう繰り上げ返済を頑張って…と考えるでしょう(私もそう考えました)。ゆえに、ほとんどの人が住宅購入は一生に一度。一度建てた家に生涯住み続けるという結論が導けます。

であれば”一番年老いた状況を想定した家づくり”というコンセプトのもと、コンパクトで段差のない平屋を建てよう!という気持ちになるのかもしれません。(ただし新築時は子供もいるので部屋数が多くなるので老後に余りがち)


 

”資産”の考え方


資産の考え方も影響していそうです。欧米では不動産の価値の遷移が日本とだいぶ違うようです。南雄三氏のセミナーで学びましたが、資産の遷移をグラフにすると下の図のようになります。

まずこれが「日本型」


ローン残高と共に建物の資産価値も下がっていきます。ある年数でそれ以上下がらなく(固定資産税上は)なり、ローン残高がその額を下回ればその時点で「資産」になります。それまでは差し引き「負債」という考え方ですね。メンテナンスコストもかかります。そう!これだとメンテナンスは「コスト」扱いですね。コストをかけるほど負債が増えます。


対して「欧米型」


きちんとメンテナンスして、不動産を購入した時より売る時の方が価値が高ければ差額は「資産」になります。これだとメンテナンスは、将来高く売るための「投資」と言えそうです。その上ローン残高は減り続け、資産価値は時間の経過とともに増えます。この仕組みだと国が持つ付加価値も増えていきそうですね。であれば、30年で建て替えをしないといけないような使い捨ての家ではお話になりません。長持ちしてもらわないと、ちょっと住んで売ろうと思った時には建物の寿命…なんてことでは資産どころじゃありません。なので、このような資産として扱える家というのはメンテナンスをきちんと行って長持ちする家が大前提、ということになります。


 

管理(メンテナンス)が不動産の価値を上げる

 

欧米型のような仕組みなら、家が必要になった時のライフステージ、ライフスタイルに合わせて家を購入し、きちんとメンテナンスしていれば高く売れるので気軽に住み替えができそうです。メンテナンスをするインセンティブにもなりますね。良くできた仕組みです。今年からマンションでは「管理の質」を評価する制度が始まりました。きちんと管理していることを第三者が評価し、公のデータベースに登録することで購入者は安心して購入でき、売る方としても市場価値を高くできるというメリットがあります。戸建てでも整備されると良い制度だと思います。


今回は平屋の話から不動産価値に話が飛んでしまいましたが、こういう事も考えながら家づくりを考えるのも大事ではないかと思います。安心の家づくりは不動産のプロもいるMBC開発に是非お任せください。

 
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