スタッフブログ

Blog

2020.09.24

「改正省エネ法」についてのご報告

設計課の山下です。今回の台風10号の襲来にはとても心配致しました。一時は「大型で非常に強い台風」との予想のもと、特別警報の発表も予想され、例年の台風に無い緊張感のもとに迎えましたが、幸いにも被害が少なく安堵いたしました。昨今の地球環境はいよいよ厳しくなってきており、いつ何時、想定外の自然災害が起こりうるかも知れません。我々家造りに携わる者の覚悟も、耐震、耐風、省エネに関し、いよいよ重要となってきました。
 
これら気候変動の第一の要因は異論もありますが、大気中のCO2の増加による温室効果による地球温暖化にあると言われています。その原因として近年における産業の発展における化石燃料の消費の増加があります。そこで、政府は、様々の温暖化防止の一環として、全産業における脱石油・脱石炭はもとより、住宅の省エネ性能の向上にも取り組み、おのずから住宅産業にもその構造変化が起きています。
 
エネルギーに関しても、昭和54年に「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」いわゆる「省エネ法」を制定し、それが数次にわたり改正され、最新のものは平成30年6月13日公布、同年、12月1日に施行されました。その中の建築部門では、その運用スケジュールとして、いよいよ2021年4月より、「改正省エネ法」に基づき、「建築士による説明義務制度」が始まります。そこで今日は、この「改正省エネ法」に関する建築士の「説明義務」のご報告をしたいと思います。
 
すなわち、来年の4月より、住宅の設計者(建築士)は、その設計委託された建物の省エネに関する性能に関し、省エネ基準に適合しているか否かについて、建築主に対する説明をしなければなりません。
 
具体的には以下の説明となります。
 
  • 当該建築物の省エネ性能が「平成28年省エネルギー基準」の建物に比較し、その性能を上回るか否かの、適・否の建築主への報告です。
 
 「平成28年省エネルギー基準」は、建物の外皮性能基準 (UA値・ηA値)」+「一次エネルギー基準」から成り立っており、そのUA値が鹿児島においては0.87以下となっています。 
 一次エネルギー基準とは、分かりやすく言えば建物の燃費のことで、一般的な生活を送るに際し、建物がエネルギーをどのくらい消費するかの目安です。
 
我々建築士はそれらの性能を具体的計算によって求め、その数値を建築主に説明する義務が生じます。
 
  •  次に、もし当該建物の性能が「省エネ基準」に適合しない場合は、その住宅の省エネ性能確保のための措置の説明を建築主にしなければなりません。例えば、屋根とかサッシとかの断熱性能をどのくらい向上させれば適合するようになるかの説明です。しかし、今のところこれは説明のみで、施工義務ではありません。
 
  •  さらに、以上の説明文書を建築主に交付しなければならず、その建築主の署名済の文書の保存義務が設計者に求められています。
 
  •  当然ながら、設計者(建築士)が以上の説明を建築主にするには、「省エネ法」の制度説明や、その意義について建築主に十分な理解が得られるように努めなければなりません。
 
もちろん、MBC開発は早くから、住む人の健康と省エネに関心を持ち続け、「住宅の外皮性能向上」と「パッシブデザイン」のもたらす恩恵を研究してきました。そして数年前から、改正省エネ法の目指す「平成28年省エネルギー基準」よりさらに進んだ、断熱性能の向上と、住宅における一次エネルギーの削減に努め、ZEHビルダー、すなわちゼロ・エネルギー・ハウスを意味する住宅を建設する技術力を持った企業としての認定もいただき、2019年度の実績は着工棟数の50%以上をZEH住宅として建てさせていただいています。
いよいよ当社の出番であると意気込んでいます。
 
ここで少し建築物以外の気候変動に関する地球の温暖化を防止する世界の動きに触れたいと思いますが、新聞報道によりますと、米ゼネラル・エレクトリック社は石炭火力発電事業から撤退する方針を発表したそうです。
国内においても、脱化石燃料の推進のため、損保ジャパンは、国内の3メガ銀、生保に続き石炭火力発電の新設工事の保険引き受けの原則禁止を固めたそうです。
 
 これらは、SDGs(持続可能な開発目標)や、ESG(環境・社会・企業統治)、CSR(企業の社会的責任)といった思想重視の流れが強まっている証左であろうと思います。
 
 すでに、待ったなしの地球環境保護の戦いが始まっています。
 
MBC開発も微力ながら、自然と共生する「パッシブ思想」に+「外皮性能向上」+「太陽光などの再生可能エネルギー」を利用したベストミックスを追求する、ZEHビルダーとして住宅に貢献していきたいと考えています。
 
ご来場予約キャンペーン Instagram