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2021.11.11

考えてみたブログ ~茶の間と小さな家2~

前回の続きとなる。
家を作るのにかかる費用も高くなっているし、大きい家もいらなくなってきているのだから、家を小さく、豊かに出来ないかの試みだ。
その手法として「茶の間」を用いてはどうかということで、実際に間取りを作ってみるというのが前回まで。で、

やってみた

結論

小さくはならなかった。なぜなら茶の間型はその独立性を確保するため各室を「縁」でつなぐので、その分面積が増えるからだ。下の図は一例だ。
引くほどへたくそなのはご容赦頂きたい


上の絵では各室をつなぐ役割を「縁」が担っている。
もう一例。LDK型だと横に3つのゾーンに分割され、中央のLDKから各室に接続している。これが



こうなる。中央ゾーンとその両脇の部屋への接続に「縁」と書いた廊下の役割をする空間が入っている。
必然、面積は増える。居住性、つまり「質(居心地)」が変わらないようにLDK型→茶の間型への変換を行うと、「量(面積)」が増える。それはつまりLDK型では無駄とみなされてきた「廊下」を容認することとなる。

廊下にもなるLDK

LDK型の間取りの特徴とは、各個室や水廻り、階段とつながるハブの役割をLDK空間が兼ねているという点だ。
極論を言ってしまえば「室」ではなく「玄関ホールの延長」と解釈する事が出来る。役割的に「廊下」と言っても過言ではないのだ。
つまり玄関ホールや廊下とLDKの境が曖昧でも(建具で仕切られていてもいなくても)違和感が無いのは、その機能性に由来する。
膨らんだ廊下がLDKと考えれば、「リビング階段」という言葉も「廊下と階段」と同義だし、上の絵のような廊下を省略してリビングから各室に接続する「リビング接続型」も「廊下から各部屋へ行き来する」と同義である。
LDK型の間取りとは、ミニマルで合理的な間取りなのである。

茶の間の利点

ここまで見ればLDK型の間取りに軍配が上がりそうだが、ここでひとつ茶の間型の利点も主張しておく。
それは、”茶の間は落ち着く”ということだ。先ほど述べた質(居心地)の部分である。これは我々の経験的事実と一致する。
LDK型においては、その空間に廊下の機能を内包しているのだから、くつろいでいる横をせっせと人が往来することになる。
なんとなくせわしない気分になる。茶の間型ではそれはありえない。茶の間が通過動線にはならないからだ。
せわしない人が通行するのは通路の役割をする縁側や廊下。通過動線の役割は全てこの「縁」の部分が担う。
ゆえに茶の間型にはLDK型にはない「落ち着き」をもたらす機能が備わっていると言える。LDKが通路の延長ならば、茶の間は通路にくっついた”くぼみ”を意味するアルコーブと言っていいだろう。この概念図を間取りにするとこうなる。

これが茶の間型の「落ち着き」の所以(かもしれない)だ。キッチンから他の場所へ移動する際も、畳敷きの茶の間を経由する必要はない。だから茶の間は独立性を保てるのだ。

変換 茶の間型→LDK型

これと同じことをLDK型で実現しようとするならば、くつろぐためのスペース(よくあるテレビとソファセット)の中に通過動線を持ち込まなければよい。例を示そう。

同じ質と量を保ったまま茶の間型→LDK型への変換を行う。

こうなる。リビングとしての8畳空間に通過動線は介入せず、落ち着いた空間を確保できる。
念のため、「量(面積)」を小さくできないかトライしてみよう。我々もよく作る間取りである。通路分のスペースをLDKの一部として取り込む。
無駄をそぎ落とし、ミニマルな空間にするのだ。
当然だが、通路の機能を取り込んだので、リビングとしての8畳空間をどうしても人が通る。小さくはできたが茶の間型と同等の落ち着きは得られなさそうである。

まとめ

というわけで、結論的には「茶の間は非常に豊かな空間ではあるが、LDK型と比較してボリュームが大きくなる」となった。
「小さく、豊かに」という目論見はここでは失敗に終わった。小さくするにはまだ何か発想の転換が必要なようだ。

余談

・・・
ちなみにこのミニマルな四角いLDK空間は土地の狭い日本独特の間取りなのではないか、と予想する。
残念ながら欧米に行った経験は無いので、代わりにGoogleで「real estate floor plans」とか入れて検索すれば英語圏の間取りがヒットするので見てみると、キッチンとダイニングのかたまりがあり、そしてリビングは少し離れたところに独立してある。
やはりリビングは静かにくつろぐ場所であるらしい。もうひとつちなみに「small modern house floor plans」で検索すると我々が国内でよく見かける四角いLDKが多数ヒットするようだ。余談でした。
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