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2022.02.19

家づくりの法律 –市街化調整区域

こんにちは、実年齢よりかなり上に見られる設計スタッフの上村です。今回も若さ溢れるフレッシュな気持ちでお堅い内容を語ります。

建築の禁止

令和4年4月1日より市街化調整区域の災害リスクの高いエリアでの住宅建築等が禁止されます。詳しくは鹿児島市当該ホームページでご確認頂くとして、ここでは一般の方にもわかるよう解説していきます。
 

市街化調整区域とは

都市計画区域において、市街化を抑制する地域のことです。つまりあまり街になって欲しくないエリアです。反対にすでに街になっているか街にしていきたいエリアを市街化区域といいます。都道府県が定めています。市街化調整区域は市街化を抑制したいエリアと書きましたが、近年は既存集落の活性化という名目で条件によって建築を許可していました。今回の条例改正で建築禁止を図った目的に『近年の頻発・激甚化する自然災害に対応するため』とあるように、今までとは逆に(なので市街化調整区域の本来の姿的に)人の定住を制限し、防災工事やインフラ整備を合理化しようとしているように読み取れます。
 

災害リスクの高いエリアとは

「災害リスクの高いエリア」として都道府県が指定する
①災害危険区域
②地すべり防止区域
③急傾斜地崩壊危険区域
④土砂災害警戒区域(土砂災害特別警戒区域を含む)

の4つです。主に雨による地盤の崩壊の危険がある地域ですね。鉄筋コンクリート造は別にして、木造住宅では建物を強くしても被害は防ぎようがありません。なのでこのエリアには新しく建てないで下さいというメッセージですね。上記の鹿児島市の当該ホームページにあるリンクより、①②③は砂防三法マップにて、④はリンク先の鹿児島県のホームページからさらに外部サイトへのリンクで「土砂災害警戒区域等マップ」でご確認頂けます。下の画像のように地図上に黄色やオレンジで危険な区域を重ねて表示しています。

例として私の地元の谷山付近をピックアップしました。

 

禁止となる建築物とは

まず分譲住宅です。建売ですね。一時期市街化調整区域の田んぼを埋め立てて宅地にしておりましたが、この埋め立てるのを「開発行為」といいます。この開発行為も禁止です。そして「人的要件なし」の住宅(分譲住宅ではない)です。
 

人的要件とは

そもそも市街化調整区域に建てられる住宅は、もともとその地域に住んでいた人の建て替えか近くに建てる、農家(林業や漁業)、相続した人がその土地に建て替えるなど、「その土地に住まざるを得ない」人たちが法的に許可されていました。なので、そういったその土地に住まなければならない理由のない人は、「市街化調整区域の災害リスクの高いエリア」に限って建築しないで下さいよという条例なのです。
 

類似の考え方

ひとつ前のブログでご紹介した長期優良住宅が同じような考えに基づいて建築を制限しています。同じく災害リスクの高いエリアには長期優良住宅は認定しませんというものです。詳しくは前のブログをご参照ください。

今回わかりやすくするために専門用語はかみ砕いて、抽象化してお話しましたが、法律に関する事なので本当は厳密な言葉の定義が存在します。実際に建築を検討したりする際は役所や建築会社にご相談を。知識として実務に役立てたい方は情報の一次ソースをご確認下さい。

斜面を見ると登(ry
オフロードライダー上村がお届けしました。

 
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